--------

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
2011-11-12

【特撮コラボ編・その3】チョロ&ゴーカイジャー再会編

前回に引き続き、チョロ&ゴーカイジャー・再会編をお送りします。
私、前作を書いた後、相変わらず城主様&ジョー萌えおさまらず、「チョロをなんとか巨大ロボ戦に参加させられないものか?」などとイカレたことを考えておりましたが、チョロ友さんたちから「ぜひ頑張ってもらいたい!」と叱咤激励を受けまして、ついに続編を書いてしまいました。
んで、またもや長文になっておりますが、よろしくおつきあいください。

 

「ゴーカイジャー」は途中から追加戦士が加入。伊狩鎧(ガイ)という地球人のしかも戦隊オタクで、そのヲタ知識と熱い心で宇宙海賊たちと共に戦っていきます。基本ギャグキャラですが、15の戦士の力を持ち、ゴーカイシルバーに変身、豪獣神という専用ロボットも使うことができる強力なヤツ。役者の池田純矢君は格闘技経験があり、素面のアクションも秀逸です。今回は彼も登場しますのでお楽しみに。

 

では、どうぞ~!¥|||^^|||

 

 

「くぅやしいぃ~!」ザンギャック皇帝のバカ息子ワルズ・ギルは、旗艦ギガントホースの中で怒り狂っていた。

「なぜ古代遠征に失敗した?せっかく父上の誕生日に四神の神器をプレゼントしようと思ったのにぃ!」「そ、それが、古代人が思わぬ変身をいたし、そのうえ宇宙海賊どもが…。」

「うーるさーい!」自分で訊いたくせに、バカ息子は激昂した。

「もう一度行って、神器を奪って来い!さっさと行けえ!」「ははあっ!」

 

その頃ゴーカイガレオンでは、再びタイムレンジャーのキーが光りだしていた。

「これはどういうことだ?おい、トリ!」マーベラスが予言ロボット・ナビィをにらみつける。

「おいらはトリじゃないって!」ナビィは文句を言いながらもバタバタ飛び廻り、そして叫んだ。

「大変、大変!またザンギャックが古代へワープしたよ!サムライが危ない、ピンチだよ~!」

「なにっ!」ジョーが思わず立ち上がった。

「行くよね?マーベラス。」「あの方のおかげで、タイムレンジャーの大いなる力をいただいたのですから…。」「まだ借りがあるよね!」ルカたちが口々に言う。

「はなっからそのつもりだ。派手に行くぜ!」マーベラスが言い放った瞬間、ゴーカイガレオンは閃光に包まれ、タイムワープした。
「え?ええええ~~っ!」事情を知らないガイだけが、悲鳴をあげてひっくり返った。


ガレオンは再び国内城上空に現われた
。6人は降下すると、さっそく城へ向かった。

「うわー、本物の城だあ!ジオラマがでっかくなったみたい。俺、こういうのも超萌えるんすう!」オタクなガイは、興奮して浮足立っている。
「マーベラスさん、俺、ちょっと見学して来てもいいっすか?」

「しょうがねえな。勝手にしろ!」「ま、あんたは初めてだから役に立たないしね。」とルカ。

「んじゃ、失礼します。」「あとでちゃんと来いよ!」ハカセの声を背に、ガイは駆け出した。

5人が宮殿の前に来ると、衛兵たちはまたもや門を閉じて逃げ出してしまい、あたりには人っ子ひとりいなかった。
「ちぇっ、意気地がねえな…ま、いっか。この辺にサムライがいねえか、探してみようぜ。」5人は手分けして城の周辺を探し始めた。

 

ガイは城壁のまわりをうろうろしているうちに、森の中に迷い込んでいた。

ふと気付くと、目の前の木にいままで見たこともないほど大きなカミキリムシがとまっている。

「うわ、すっげえ!さすがに古代は自然がいっぱいだあ!」

ガイは素早く手を伸ばして、カミキリムシが飛び立とうとする寸前につかまえた。

虫はじたばたもがいて逃れようとしたが、ガイは指に力を入れて放さなかった。

「すげえや。昔の物を現代に持って帰っちゃいけないんだろうけど、ここにいる間だけガレオンで飼うぐらいはいいよな。きっとみんなびっくりするぞ。」

そのとき、後ろから声がした。

「その虫を放せ。」

ガイが振り向くと、青い鎧を着た背の高い男が立っていた。端正な顔立ちにつややかな長い髪、異形の槍を手にたたずむその姿は、ガイのような若者でも惚れぼれするほど美しかった。

ガイは、びびりながら訊いた。「あのお、どなたですか?」

男は繰り返した。「それは俺の眷属だ。放してやってくれ。」

「な、なに言ってんですか?」

「そいつを放してくれと言っている。」

「この虫が…なんて?」

「俺の仲間なのだ。」

「えっ、あの、頭、おかしいんじゃ…。」

チョロはやむなく、双刃の槍を少し動かした。

とたんに手の中の虫が光を発しながら大きくなったので、ガイはびっくりして飛びのき、落ち葉の上に尻もちをついた。

カミキリムシは官服をつけた男の姿に変じて、その場にひざまずいた。

「城主様、申し訳ございませぬ。」

「油断したな。」

「面目のうございます。」

「以後気をつけよ。―行け!」

「はっ!」と一礼すると、男の姿はたちまち元のカミキリムシに戻って、木々の間を抜けて飛び去っていった。

 

「うひゃああ、びっくりしたあ~!」

ガイはへたりこんだまま、目をむいて虫の行方を追ったがすぐに見失ってしまい、呆然とした顔でチョロを見上げた。「あなたは、一体…。」

「久しぶりだな、サムライ!」

ガイの背後に、マーベラスら5人が現われた。

「また来たのか、宇宙海賊。」

「それが…。」事情を話そうとするアイムを、マーベラスは手で制した。

「やぼ用ができてな。あんたに迷惑はかけねえよ。」

「巨人が暴れるのだけは勘弁してくれ。街が壊れる。」

「ああ。なるべくやらねえつもりだがな。」

「困る。やめてほしい。」

「わかってるって。心配すんな。」

「マ、マーベラスさん、もしかして、この人が…?」

「古代のサムライだ。」

「そうだよ、すごいんだ。青龍の戦士に変身できるんだよ!」ハカセが補足する。

「え?そ、それじゃ、ドラゴンレンジャーさんの御先祖様かなにか…。」

「これだからオタクは!」ルカがガイの頭をごつんと小突いた。

「痛てっ!ひどいすよお、ルカさん~。」

チョロが、大げさに痛がるガイを見下ろしながら訊いた。

「この小僧、あのときはいなかったな。新入りか?」

「ああ、見習いだ!」とマーベラス。

「小僧とか見習いとか、ひでえなあ…。」

ガイが口をとんがらせてふてくされるのを、ハカセがにやにやしながら見ている。

 

チョロは、ジョーのほうに向き直った。

「変わりないか。」

「ああ。―あんたも、元気そうだな。」

それだけ言うと、ふたりとも口元に少し笑みを含んで、黙って見つめあった。

「もう、クール同士じゃ、会話にならないわよね。」

「でも、おふたりともお美しいですわ。」ルカとアイムは顔を寄せあって笑った。

しかし、ジョーは笑みを消して、言った。「覚えてるだろうな。今度こそ、どっちが強いか決めようぜ。」

「俺は、そういうのはいやだ。」チョロはなんの気負いもなく答えた。「そのためにわざわざ来たのか?」

 

「いいえ!私たちは…。」アイムがふたりの間に入ったそのとき、突然砲撃が3人を襲った。

気配を察知したチョロがとっさにアイムとジョーをかばって地面に突っ伏したため直撃を免れ、砲弾は3人の間近で爆発した。

「神器を宿した古代人と賞金首の海賊どもか!一度に出会えるとは幸運だな。」

「出たなザンギャック!」新たな行動隊長ブンドルと部下のゴーミンどもがまわりを囲んでいた。

「おい古代人!われわれの武器に抵抗しても無駄だ。今度こそ神器をいただいてゆくぞ!」

身構えるチョロの前に、マーベラスたちが立ちふさがった。「そうはいかねえ。過去の世界までお前らの思い通りにはさせねえよ。俺たち海賊戦隊が相手になってやる!」

チョロが驚いて叫んだ。「ではお前たちは、最初から俺を助けるためにここに来たのか?!」

マーベラスは、ふんと鼻で笑った。「しょうがねえな。せっかくかっこつけたのに、もうばれちまった。」

怪人がいまいましげに吐き捨てる。「海賊ども、なぜ邪魔をする?貴様らには古代の神器など関係ないだろうが!」

「うるせえ!こいつはジョーの…ダチだからだ!」

ジョーがはっとして目を向けたが、マーベラスはかまわず怪人めがけてゴーカイガンをぶっ放した。「派手にいくぜ!」

 

「ゴーカイ・チェンジ!」5人はゴーカイジャーに、ガイはゴーカイシルバーに変身する。

「神器は絶対に渡さぬ!」チョロが叫ぶと同時に、彼の背後から青龍の霊気が噴き上がり、龍鱗の鎧となって全身に蒸着した。双刃の槍が青い閃光を放ちながら、ザンギャックの兵士たちを一気になぎ払った。

「撃て!撃てえ!」しかし、輝く槍の一撃は敵の砲弾をすら一刀両断に斬り裂いた。「なにいっ…!」

ゴーカイジャーの5人は剣と銃で戦い、ゴーカイシルバーは銀色の槍・ゴーカイスピアで群がる敵兵を討ち払った。シルバーはさらに槍を振るって立ち回るうちに、いつしかチョロと背中合わせになった。

「小僧、お前も槍遣いか。なかなかやるな。」

「きょ、恐縮です!」

「ふっ、調子のいいやつだ。」

「はいッ、よくそう言われます!」

そんなことを言いながら、ふたりはゴーミンどもを次々と突き倒してゆく。

 

こうして敵兵を一掃し、7人はついにブンドルに迫った。「くらえっ!」ブンドルは全身から電撃を放って激しく攻撃する。たまらず後退するゴーカイジャーたち。

「電撃には電撃だ!」「ゴーカイ・チェンジ!」ゴーカイジャーの5人は電撃戦隊チェンジマンに、ガイはゴールドモードに再変身、6人で合体技を繰り出す。「ゴーカイ・電撃ビクトリービーム!」

「双刃青龍波!」チョロも双刃の槍から霊気の集中攻撃を浴びせて、ついにブンドルの電撃をはね返した。

「今だ。ファイナル・ウェーブ!」「ゴーカイ・フルブラスト!」「よっしゃあ!ゴーカイレジェンドリーム!」

5人の銃撃弾とガイの15戦士の力、そしてチョロの青龍の力が結集し、巨大な光弾となってブンドルに炸裂した。

「うがああ――ッ」炎をあげて爆発する怪物。「やったぞ!」

 

しかし怪人は例によって母船からの特殊光線により復活、巨大化して暴れ始めた。

「しつこい野郎だ!」マーベラスがゴーカイガレオンを、ガイが豪獣ドリルを呼んでゴーカイオーと豪獣神に変形、2体の巨大ロボットがブンドルを迎え撃った。

「ガイ、ここはまずい。人家のない場所まで、あいつを吹っ飛ばせ!」「了解っ!」

「ゴーカイジャイアントスイングだあっ!」豪獣神がいきなりブンドルの脚をつかんでぐるぐる振り回したあげく、思いっきりぶん投げる。ブンドルは遠くの岩山までぶっ飛んで、頭から山腹に激突した。

「サムライ、こんなもんでいいか?街は無事だぜ!」言いざま、ゴーカイオーは怪物めがけて突進して行った。

「むちゃくちゃなやつらだ…。」チョロは呆れながらも馬に飛び乗ってあとを追った。

 

「マジレンジャーの力を使う!行くぜえ、ゴーカイ・マジバインド!」

ゴーカイオーのボディからマジドラゴンが出現、巨大ブンドルの周囲を飛び廻って、魔法の結界で怪物を締めあげる。ここにゴーカイオーと豪獣神が同時に必殺技を放てば、勝利は必定であった。

ところがブンドルは思わぬ反撃に出た。巨大ブンドルの全身から鞭のような触手が伸びて、マジドラゴンを叩き落としたうえ、強烈な電撃を放ったのだ。マジドラゴンは翼を焼かれ、あえなく墜落した。

「マジドラゴンが…!」助けようとする間もなく、ゴーカイオーと豪獣神の全身に無数の触手がからみついた。

間髪入れず電撃が放たれる。「うわあああ――ッ!!」操縦席が火を噴き、ゴーカイジャーとガイの6人はブンドルの攻撃にさらされたまま、身動きできなくなってしまった。

 

馬で駆けつけたチョロは、なすすべもなく目の前の光景を見つめていた。

「このままでは海賊たちが…どうしたらいい?!」

「キキキキ…。」そのとき、地面に横たわるマジドラゴンが首をもたげ、チョロのほうを見て、助けを求めるように鳴いた。

「あの龍が、俺を呼んでいる…!」

思うと同時に、心臓が燃えるように熱くなった。これまで感じたことのないすさまじい衝撃が全身を突き抜ける。

「うおお…おおおお――ッ!!」

体の奥底からこみあげる力に、両腕を突き上げ咆哮するチョロ。

雄叫びをあげる彼の体から青白い霊気が炎のように放出され、それはみるみる形をなして、巨大な龍の頭部となった。

「そうかっ!」チョロは反射的に地面を蹴って跳躍、龍の角をつかんで頭上に飛び乗った。

続いて長大な胴体が現われ、チョロを乗せた霊気の龍は光を放ちながら宙に飛び立った。

「ゆけええ――っ!」

龍は猛烈な速さで空中を突っ切り、あっという間に巨大ブンドルの正面に迫った。

「サムライっ!」「あいつ…飛んでるぞ!」「すげえ!光の龍だあ!」電撃に苦しみながらも驚くゴーカイジャーたち。

チョロが双刃の槍を振りかざすと、龍は全身をしならせ、彼の腕そのもののように動いた。

「はあああ――ッ!」

チョロは槍から発した光の刃を思いきり打ち下ろして、ゴーカイオーを捕えていた何十本もの触手を一撃で断ち切った。返す刀で豪獣神も電撃から解放する。

さらに大きく槍を振りかぶって、ブンドルの巨体を袈裟がけに斬り裂いてゆく。

「グオオオ…。」さしもの怪物も口から火花を吐きながらよろめいた。

 

「今だ!」マーベラスがシンケンジャーのキーを握った。ほかの4人も続く。

「レンジャーキー、セット!」「レッツ・ゴー!」

自由になったゴーカイオーは一気にシンケンゴーカイオーに変形した。

シンケンジャーの大いなる力が、炎を噴き上げながら巨大な太刀を実体化する。「烈火大斬刀!」

ゴーカイシルバーが豪獣神のドリル出力を全開させる。「豪獣ドリル!」

チョロが龍の頭上で仁王立ちになって、双刃の槍を天に突き上げる。「龍嵐招来!」

「よし!みんな、ド派手にいくぜ!」「おうっ!」

立ちすくむブンドル目がけて、3体が同時に必殺技を放った。

「豪快侍斬り!」「豪獣トリプルドリルドリーム!」「龍嵐双刃破!」

3つの閃光が巨大ブンドルの胴体を貫いた。怪物は轟音とともに爆発、こっぱみじんに砕け散った。

 

チョロは龍とともに地上に舞い降りた。

もはや力を使い果たし、立っていることもできない。彼は全身から立ち昇る霊気の光に包まれながら、ゆっくりと両膝をついて、地面に倒れ伏した。

「チョロさんっ!」アイムが悲鳴をあげる。

ゴーカイオーから飛び降り、変身解除して駆けつける彼女を、誰かが押しのけるように追い越した。

―ジョーだった。彼は倒れているチョロに駆け寄ると、夢中で抱き起こした。

「おい、大丈夫かっ!しっかりしろ!おい!」

ジョーに揺さぶられて、チョロはうっすらと目を開いた。

「大丈夫、だ。初めてこんな…力を使った。あの龍に、呼ばれて…。」

「キキキイ…。」ジョーが振り返ると、回復してゴーカイオーのボディにおさまったマジドラゴンが、こちらを向いてうれしそうに鳴いた。

「マジドラゴンが、お前を認めたのか…。」

「サムライ、あんたにも大いなる力が宿ってるってわけだな。」いつの間にかマーベラスが後ろに来ていた。「欲しくなったぜ。」

「ダメですよ、マーベラスさん!」アイムがあわててたしなめる。

「冗談だ。俺は古代のもんまで取る気はねえよ。」

ジョーはマーベラスと目を合わせると、ふっと笑って、立ち上がろうとするチョロに肩を貸した。

「勝負はお預けだ。槍を磨いとけ。今度会ったら…。」

「いつも同じことを言う。」チョロも笑みを浮かべた。

 

ふたたび未来へと戻ってゆくゴーカイガレオンを、チョロは城壁の上に立って見送った。

ジョーが見張り台からこちらに向かって手を挙げるのが一瞬見え、そして異界の船は青い空のかなたに消えていった。



 

※ 「龍鱗の鎧」について(ゴーカイジャー&ギャバン劇場版制作記念?)は →こちら

 

 


スポンサーサイト
2011-11-11

【特撮コラボ編・その2】チョロ&海賊戦隊ゴーカイジャー

みなさまこんにちは!

特撮コラボ編第2弾は、チョロと海賊戦隊ゴーカイジャーであります。 

「海賊戦隊ゴーカイジャー」は、スーパー戦隊シリーズ35作目の記念作品。  ※公式HPは →こちら

宇宙海賊の5人が、非道なザンギャック帝国と戦いながら、「宇宙最大のお宝」を求めて、過去の34戦隊の力を手に入れてゆくという物語です。しかし明らかに「ワンピース」人気にあやかっているのと、レンジャーキー(各戦隊の鍵)を使って、基本形に加えてどの戦隊にも変身できるという設定で、「ふん、どうせいままでに余ったオモチャを売るつもりだろうが!」と思って、仮面ライダーのついでにしか見ていませんでした。

ところがこの「ゴーカイジャー」、意外にも大変な傑作なのです。筋もアクションも実によくできていて、おもしろさ、迫力と共にしゃれっ気もある。スタッフの気骨と戦隊ものへの愛を感じます。

メンバーは大胆豪快なキャプテン・マーベラス(レッド)、クールな長髪の戦士ジョー(ブルー)、元女盗賊のルカ(イエロー)、癒し系のハカセ(グリーン)、元王女で上品なアイム(ピンク)の5人、それぞれの壮絶な過去もきちんと語られている。(ハカセだけまだ謎ですが。)

 

特に12話、ジョーとマーベラスの出会いがすばらしかった。帝国の非道を知って軍から脱走し、執拗な追手と必死に斬り合うジョーを見たマーベラスは手を貸して共に戦い、ジョーの首にかけられた電撃装置付発信機を命がけで引きちぎって彼を解放する。
「お前の剣の腕と…その目が気に入った!」―マーベラスの漢(おとこ)ぶりと、ジョーの悲壮な美しさに、私はたまらずヤラレてしまったのでした。「太王四神記」19話以来の深萌えでありました。

 チョロとジョー、長髪の美戦士ふたりの間でよろめいてしまった私…葛藤の結果は、新たなる共闘妄想の誕生でございました。¥(^-^‘)

 

―では、どうぞ!

 

 

宇宙海賊船ゴーカイガレオンの中で、今日も鳥型ロボット・ナビィのお宝ナビゲートが炸裂した。

「出たぞよお、古代のサムライを探すべし~!」「なによ、またサムライ?」「でも古代の、って?」

「こらっ、トリ!いいかげんなこと言うなよ!」「おいらはトリじゃないし、いいかげんじゃないよお~!」

「あっ、タイムレンジャーのキーが光ってる!」「古代へ行けってことか…よし、みんな行くぜ!」

「えっ、古代へって、時間を?…ああああ~~っ!」

 

古代にタイムワープしたゴーカイガレオンは、高句麗の国内城上空にいた。

「うわ~、お城!いかにもサムライがいそう。」「さっそく降りてみようぜ。」

地上では、突如出現した空飛ぶ船に、人々が恐れおののいていた。

「みなさん、こんにちは。私たち、怪しい者ではございません。」「いや、十分怪しいと思うぞ。」

そんなことを言いながら5人が宮殿の門までやってくると、恐れ隠れている衛兵たちを尻目に、チョロが双刃の槍を構えて立ちふさがった。

「なんだおめえは!邪魔する気か。」「魔界の者ども、ここから一歩も通さぬ!」

5人を異界からの侵入者とみたチョロは、槍を振りあげて打ちかかった。

 

「俺が相手だ!」ジョーが剣を抜いて飛び出し、ふたりは得物を振るって必死に渡り合った。しかし、いっこうに勝負がつかない。

「くそっ、それなら!」じれたジョーは、ついに波動剣の技を繰り出した。「ジョー、やめろ!」

青い閃光がチョロめがけて襲いかかる。しかし次の瞬間、双刃の槍からも青白い炎が噴き上がった。

「なにっ!」

「はあああ――ッ!」チョロが突き込んだ槍先から光り輝く霊気が青龍のかたちとなって放出され、ジョーが放った衝撃波を食い止めた。
ふたつの閃光がぶつかり、青い火花が周囲を照らして激しくほとばしる。

「くうう…。」双方必死に念を込めて押し合うが、一進一退のあげく、そのままふたりとも動けなくなった。

ここで、光の中心に向けてマーべラスがいきなりゴーカイガンをぶち込んだ。「そこまでだ!」

拮抗していた閃光波がまっぷたつに断ち切られ、チョロとジョーは互いに大きくのけぞって後ろに倒れた。

「お前ら互角だ。―あんた、古代人のくせに、すげえ技もってんな。」

「ふん、なかなかやる!」と言いつつ、ジョーも驚きを隠せない。

 

「あっ、あんた、もしかしてサムライ?」「そうだ、この人が古代のサムライだよ!」「まあ、さっそくお会いできたのですね!」

ルカたちが無警戒に駆け寄って来たので、チョロは槍をおさめた。

「サムライ…とは、なんだ?俺は高句麗の将軍、チョロだ。お前たちは何者だ。」

「チョロ?ひゃあ、かわいい名前~!」「普通だ。」「えっ、ジョーの口癖と同じこと言ってる。この人、ジョーの御先祖様じゃない?」
「俺は地球人とは無関係だ。」ジョーが憮然として答えた。

「俺たちは海賊戦隊ゴーカイジャー。俺はキャプテン・マーベラスだ。お宝を探すために、未来から古代のサムライに会いに来た。」
「海賊…では、クドンを知っているか?」「知らねえな。俺たちは宇宙海賊だ。」

「うちゅう…とは、どこの国だ?」「ばかか?お前。」「そんなことを申し上げては失礼ですわ。この方は昔の人ですもの。」

 

そこに突然砲撃が加えられ、6人は吹っ飛ばされた。「うわあっ!」

目の前に装甲部隊を従えた無気味な姿の怪人が立っていた。「ザンギャック!なんでここに…。」

「また怪物か!もうタイムスリップとやらは御免だ。」チョロはすばやく槍を構えなおした。

「俺はザンギャックの行動隊長ムザーン。この城に古代高句麗の秘宝、四神の神器があるときいた。皇帝陛下への献上品としてもらってゆく!」

「させぬ!」チョロが槍を振りかざして突進する。

「撃て!」砲撃がチョロに浴びせられる。「やべえ!逃げろサムライ!」

しかし、走るチョロの体から巨大な青龍の幻影が立ち昇り、龍鱗の鎧が閃光を放ちながら彼の全身に蒸着した。ふりかかる砲弾はすべてその光の中に消滅した。

「うっ!」「こいつ…変身した!」「綺麗…。」「もしかして古代のスーパー戦隊?」「まさか!」

チョロは青く燃える槍を振るって、ゴーミン(雑兵)どもを次々となぎ倒してゆく。

「どうする?マーベラス。」「相手がザンギャックじゃ、見過ごすわけにはいかないわね。」「過去の世界まで荒らすなんて、許せないよ!」「そうですわ。お手伝いいたしましょう!」

「よし!俺たちも派手にいくぜ!」「ゴーカイ・チェンジ!」

 

ゴーカイジャーに変身した5人はチョロとともに敵兵を蹴散らし、隊長ムザーンに迫ったが、逆に怪物の放つ強烈なビームに圧倒された。

「ちっ、とっととカタをつけるぜ。ファイナル・ウェーブだ!」「おう!」「ファイナル・ウェーブ!」

怪人めがけて、5人のサーベルが同時に衝撃波を放つ。

ところが、このゴーカイジャーの必殺技までも、ムザーンの強力なビームにはね返された。

「ファイナル・ウェーブが効かねえ!」「この野郎、なんてパワーだ!」「ああっ…!」

5人はもろにビームの直撃を食って地面にたたきつけられ、ダメージのため変身解除してしまった。

「ううっ…。」「くそお…。」苦しむ5人に、怪人がいやらしく笑う。「ぐふふふ…終わりだな、海賊ども。」

ムザーンがゴーカイジャーにとどめを刺そうとしたそのとき、チョロが5人の前に飛び出し、天に向かって槍を突き上げた。
「龍嵐、招来!!」「なにいっ!」

たちまち稲妻が走り、周囲に猛烈な嵐が巻き起こって、ザンギャックの軍勢を木の葉のように吹き飛ばした。

「こ、これは…ひとまず引き上げだ!」ムザーン軍はタイムワープ装置を作動させて、姿を消した。

 

「助けてもらっちまったな。礼を言うぜ、サムライ。」

「なぜ私たちを助けて下さったのですか?」「そうだよ、さっきはジョーとあんなに激しく戦っていたのに。」

チョロは全身から昇華する龍鱗の鎧の霊気に包まれながら、答えた。「お前たちには邪気を感じなかったが、あいつらはみな、なんともいえぬ邪悪な気に満ちていた。―やつらは、お前たちの敵のようだな。」

「あれはザンギャックという非道な帝国の軍隊だ。ジンキを奪いに来たとか言ってたな。」

「神器…。」チョロは思わず、自分の心臓のあたりを押さえた。「えっ、それって、あなたが持ってるの?」

「4つの神器のうち、青龍の神器の力は、いま俺の体内にある―。」「それであんなすごい力を!」

「本来、四神の力はチュシンの王を護るためのもの。邪悪な者どもに渡すわけにはゆかぬ!」

チョロははっとして、その大きな瞳でマーベラスの顔を見すえた。「もしやお前たちも、神器を…。」

「ちがう。俺たちが探してるのは別のお宝だ。あんたらから奪いに来たわけじゃない。」

「そう、僕たちは、宇宙最大のお宝を探す手がかりを得るために、古代のサムライに会いに来たんだ。ねえ、チョロさん、何か知ってることがあったら教えてよ。」

ハカセに初めてさん付けで名を呼ばれたので、チョロは少し恥ずかしそうに答えた。「俺は、なにも知らない。」

「でも、古代のサムライというのは、あなたに間違いありませんわ。」

「だとしても、俺に会って、それからどうする?」「わからねえ。だが時が来れば、こいつが教えてくれるはずだ。」マーベラスは、タイムレンジャーのキーを取り出して見せた。

チョロはしばしマーベラスの目の奥をじっと見つめていたが、やがてまばたきをして、「信じてよいようだな。」と、言った。

「俺は城に戻る。お前たちは街の中ならば自由に往来してよいが、あまり騒ぎを起こさぬようにしろ。」

「わかった。じゃあな、サムライ。」「おサムライさん、どうもありがとうございました。」アイムがていねいにお礼を言うと、チョロはかすかに笑みを浮かべて、去っていった。

「変わったやつだな。さすが古代人だ。」「正直な方ですね。」

マーベラスは、黙ってチョロの後ろ姿を見つめているジョーに声をかけた。

「気になるか?」「いや…。」「なんせお前の波動剣でも勝負がつかなかったからな。」「ふん!」

「あいつは、お前と同じ目をしている。」「え?」「―地獄を見てきた目、ってことだ。」「……。」

 

チョロは神器を狙う怪物が出現したことを王に報告し、城の警護を固めた。

果たして翌日、再びタイムワープしたザンギャックの攻撃艇が国内城上空に現われた。

いかに太王軍が勇敢でも、未来の武器で空から攻撃されてはひとたまりもない。たちまち城郭の櫓が吹っ飛ばされ、兵士たちは逃げまどった。

チョロは城壁に駆け登って、槍を突き上げた。「龍嵐招来!」

しかしさしもの霊気の嵐でも、堅固な攻撃艇を吹き飛ばすわけにはいかない。チョロは砲撃され、石垣と一緒に地面まで崩れ落ちてしまった。「ううっ…。」動けないチョロに、敵の砲撃手が照準をあわせた。

そのとき、ゴーカイガレオンが突っ込んできて、ザンギャック艇に激突した。間髪入れず、キャノン砲が至近距離から乱射される。敵船は空中で轟音とともに大破、炎上した。

「無事かサムライ!昨日の借りを返しに来たぜ!」空からマーベラスの声が響いた。「お前たち…!」

 

火を噴く敵船から、ムザーンとその兵団が降下してきた。「よくも船を…こうなったら神器を奪って、この城を破壊してやる!」

「させるか!」チョロは槍を握って立ち上がり、怪物どもの前に仁王立ちになった。

次の瞬間、まぶしい閃光に目を射られて、ムザーンたちは思わず後ずさった。

青龍の幻影がチョロの周囲を駆け巡り、燦然たる光輝の中で、龍鱗の鎧が彼の全身に蒸着した。

「ううおおおお――ッ!」チョロは雄叫びをあげて敵兵に突進、双刃の槍を振るって、あっという間に数十人のゴーミンをなぎ倒した。

「あいつ、やるじゃねえか。俺たちも派手にいくぜ!」「おう!」「ゴーカイ・チェンジ!」

チョロとゴーカイジャーの6人は激しく立ち回って、ゴーミンどもをあらかた討ち倒した。

「行け、スゴーミン!」ムザーンを守る2体のスゴーミン(特殊装甲下士官)が突っ込んできた。

これを迎え撃って6人の中から飛び出したのは、チョロとジョーだった。

ふたりはほぼ同時に槍と剣を振りかぶって、2体の怪物を一撃で斬り裂いた。

「やるな!」「お前も!」双方目をあわせて、思わず笑みがもれた。

残るは怪人ムザーン、チョロとゴーカイジャーが絶え間なく攻撃を加える。ムザーンはその強烈なビームで応戦したが、チョロの槍とゴーカイジャーの連携攻撃の前に、さすがにひるんだ。

「よし、ファイナル・ウェーブだ。サムライ、手を貸せ!」「応!」

「ファイナル・ウェーブ!」「双刃青龍波!」6つの衝撃波がひとつになって、ついにムザーンのボディをぶち抜いた。青い閃光に十文字に引き裂かれ、爆発する怪物。「やったぞ!」

 

しかし宇宙空母からの特殊光線を受けてムザーンは復活、巨大化して街を破壊し始めた。

「古代まで来て暴れやがって!ここからは俺たちにまかせろ!」ゴーカイジャーはガレオンに乗り込み、ゴーカイオーに変形した。
「未来の巨人か!」チョロは目を見張った。

巨大ムザーンに苦戦するうち、ハカセが叫んだ。「みんな、タイムレンジャーのキーが光ってるよ!」

「きっと、ザンギャックが歴史を乱すのを防ぐことが、大いなる力を得るための条件だったのですね。」「それで古代のサムライに会えと言ったのか!」「よし、みんな行くぞ!」「レッツ・ゴー!」

上空から時空を超えてタイムシャドウ・ステルスモードが飛来、ゴーカイオーと合体してロボ形態に変形する。 「完成、ゴーカイ・タイムシャドウ!」

「一気に決めるぜ!」「ゴーカイ・ブルームーンスラッシュ!」

ダブルシャドウセイバーが一閃、ついに巨大ムザーンを撃破した。

 

「世話になったな、サムライ。」「こちらこそ、おかげで神器を奪われずに済んだ。」

ジョーが、ずいと前に出た。「槍を磨いとけ。今度会ったら、絶対に勝負つけてやる。」

「そういうやつは多い。」チョロはさらりと言った。

「行こうぜ。」くやしそうなジョーの肩をばん、と叩いて、マーベラスは歩きだした。

5人を乗せたゴーカイガレオンは、徐々におぼろげになり、やがて姿を消した。

チョロは風の中に長い髪をなびかせながら、それを見送った。

 

 

 

※ 「タイムレンジャーの大いなる力をもらったのはガイじゃないの?」とかの突っ込みは御容赦ください。(―ι―δ)

※ 前半ちらっと出てきた「クドン」の登場回は こちら と こちら

 です。






2011-11-10

【特撮コラボ編・その1】チョロ&仮面ライダーW

みなさん、お久しぶりです!すっかりご無沙汰してしまいました。

私、チョロの物語の完結以来、しばらく古巣の特撮界に帰っておりましたが、そこでまたまた素晴らしいヒーローたちに出会ってしまいました。しかし私にはいまや永遠のブルー戦士・青龍の城主様がいらっしゃるので、これはなんとかしなければなりません。(しなくても別にいいんだが。)

そこで、妄想の問題は妄想で解決するしかない!というわけで、チョロと彼らの共闘の物語を作ってしまいました。最初はメルマガみたいに数人の方々に送っていたのですが、あまりの長さに「容量がもたないじゃないか!」と苦情が出てしまったため、こちらに載せることにしました。今回はシリーズ最高傑作の呼び声高い「仮面ライダーW」とのコラボでいきます!

特撮ファンの方々、毎回かなりヘンな部分もあるかと思いますが、どうかご容赦ください。

 

まずは御存知ない方のために、「仮面ライダーW」の最低限の予備知識を。 東映公式あらすじ(画像あり)は →こちら

※ 主人公は青年探偵の翔太郎と、謎の美少年フィリップ。ふたりがそれぞれ「ガイアメモリ」を装着して、ひとりの仮面ライダーWに変身する。別のメモリに差し替えることで、さまざまな能力を発揮できる。

※ フィリップはあだ名。彼は「地球(ほし)の本棚」にアクセスして森羅万象を検索できる超能力者だが、記憶を失っていて自分の正体だけは知ることができない。この作品自体が、フィリップが「自分は何者なのか?」を追い求める、魂の遍歴と再生の物語になっている。(チョロの物語にも通じる傑作!)

※ 敵は「ドーパント」(怪人)。普通の人間がメモリを体に刺して、その能力をもつドーパントに変身する。今回の「クロノスドーパント」は、時空を越える能力をもつ怪人だと思って下さい。


―では、どうぞ!

 

 

高句麗の国内城に、現代日本からワープしてきた怪人「クロノスドーパント」が現われた。

チョロは青龍の力で戦うが、逃げようとしたドーパントと一緒に現代にワープしてしまう。ワープの衝撃で気を失うチョロ。
仮面ライダーWが、風都に出現したクロノスドーパントをひとまず撃退し、倒れているチョロを発見する―。

 

「おい見ろよフィリップ!なんだこいつは?」翔太郎が驚きの声をあげる。

「きゃ~イケメン!あたし聞いてない!―ねえ、ちょっとあんた、大丈夫?」亜樹子がさっそくスリッパでチョロの顔を突っついてみる。

「ばかやめろ亜樹子ぉ!襲ってきたらどうするんだ!」

フィリップはチョロの鎧装束をじっと見下ろしていたが、そのうちうれしそうに叫んだ。

「この男は過去の時代の人間!…実に興味深い。」

「なんだって?!フィリップ、じゃあ、こいつは…。」

「クロノスドーパントと一緒にワープしてしまったようだね。彼はいま意識が飛んでるから、僕がコンタクトできるかも知れない。やってみよう。」

 

チョロが目を覚ますと、そこは異様な空間だった。

まわりに無数の本棚がそびえ立っていて、そのすべてにぎっしりと書物がつまっている。

「―ここは!」

「気がついた?」

「何者!」

「君が言うセリフじゃないね。」

「なに!」

チョロは槍を握ろうとしたが、双刃の槍は彼の手をすりぬけて、ふわりと宙に浮き上がった。

「うっ…!」

「ここは、僕の精神領域だ。君の自由にはならない。」

チョロはふっと息をつくと、しばし目を閉じ、そしてふたたびフィリップを見つめた。

「お前は、あの怪物の仲間…ではない、ようだな。」

「さすがだ。わかるんだね。」

「―感じるのだ。」

「君のことを検索させてもらったよ。君は高句麗好太王の家臣、関彌城主、そして青龍の神器の守り主・チョロだね。」

「けんさく…とは、なんだ?」

「少し知識が必要なようだ。わけてあげるよ。」

フィリップが差し出した手を、チョロはためらいながら握った。

「うああ―ッ!」

頭の中になにかがすさまじい勢いで流れ込む感じがして、チョロは思わず少年の手を振り放した。

「ごめん。ちょっとダウンロードの速度が早すぎた。でも君は知能が高そうだから、このぐらいで十分だろう。」

「ここは未来の倭国、敵はドーパント、というやつか。そしてお前たちは、仮面、ライダー…?」

「そうだ。君は体内に青龍の神器、つまりメモリを宿していて、その力を使うことができる。僕たちと同類ってわけだ。」

「あの怪物を倒さないと、俺は高句麗に帰れないということだな?」

「そのとおりだ。協力してくれるね?」

「お前は、フィリップ…聞いたことのある名だ。」

「これから、というべきだが…やめよう。未来がどうなるかは、誰にもわからないのだから。」

 

再びクロノスドーパントが出現、翔太郎&フィリップとチョロは現場に急行した。

クロノスドーパントは過去の怪人たちを召喚、3人は多数のドーパントに囲まれてしまった。

2体のドーパントがチョロめがけて襲いかかってゆく。

「やられるぞ!逃げろ!」翔太郎が叫ぶ。

しかしチョロは怪物どもに対し、堂々と立ち向かって、槍を構えた。

「逃げろ!槍なんかじゃ歯が立たねえ!」

そのとき、双刃の槍先から、青白い霊気の炎が噴き上がった。

「なにっ!」驚いて目を見はる翔太郎。

同時に、チョロの背後から青龍の幻影が立ち昇り、渦巻くように蠢動(しゅんどう)したかと思うと、それは龍鱗の鎧となって一気に彼の全身に蒸着した。

青い閃光の中で長い髪をなびかせ、龍そのもののように光り輝くチョロ。

「変身…した!」

 

「うおお――っ!」チョロは青く燃え上がる槍を思いきり振って、1体のドーパントを袈裟がけに斬り裂き、すばやく身をひるがえすと、もう1体の腹をぶった斬った。

「な、なんだ?あいつも、ドーパントなのか?!」

「ちがうよ、翔太郎。彼はドーパントなんかじゃない。彼は、体内に青龍の神器を宿すもの―古代高句麗の聖戦士だ!」

チョロはなおも輝く槍で、次々とドーパントたちを斬り伏せ、突き倒してゆく。

「か、かっこいい…ま、待て、主役は俺たちだぞ!フィリップ、こっちも変身だ!」

「どのメモリにする?翔太郎。」

「負けちゃいられねえ。俺たちも、『炎の槍』でいこうぜ!」「OK!」

「ヒート!」「メタル!」「変身!」

ふたり(内的には3人)は、背中あわせに槍を構えると、ドーパントの群れに斬り込んでいった。

 

しかし、無数に増殖したドーパントたちは、チョロと仮面ライダーWに際限なく襲いかかってくる。

「どうする?これじゃ、きりがねえ!」苦戦するW。
チョロが双刃の槍を握って叫ぶ。
「俺の後ろにいろ。奴らを吹き飛ばす!」
「なんだって?」「彼の言う通りにしよう、翔太郎!」
Wを背後にまわすと、チョロは青く燃える槍を天に向かって突き上げた。

「龍嵐、招来!!」
青龍の光が立ち昇って空の彼方に達したと見るや、ふたり(3人)の周囲に激しい嵐が巻き起こった。
渦巻く風雨と砂塵に吹きつけられ、たまらずなぎ倒される怪物たち。
それでも重量にまさる数頭のドーパントは、嵐を越えて向かってきた。
「やべえ!」翔太郎がメモリチェンジしようとしたとき、再びチョロが動いた。
「うおおお――っ!」
双刃の槍を頭上に構えて大きくうち振ると、周囲の嵐はそのまま霊気の火柱と化した。
ドーパントたちはまばゆい閃光に打ち砕かれ、一挙に消滅していった。

「す、すげえ!チョロ、このまま現代にいてくれよ!」

「ばかをいえ!」

 

そのとき遠方に、クロノスドーパントが再び時空の裂け目を開いて逃げようとしているのが見えた。

「逃がすかあっ!」Wはハードボイルダーを呼び、追跡する。

「俺もその馬に乗せろ!」とチョロ。

「ウ、ウマ?―わかった、後ろに乗れ!」

Wが追いすがると、クロノスドーパントは向き直ってこちらに襲いかかってきた。

「メモリチェンジ、トリガー!」

クロノスドーパント目がけて、仮面ライダーWのヒートトリガーが火を噴いた。

トリガービームがドーパントの腹部をブチ抜いた。しかし怪物はなおも唸り声をあげて向かってくる。

「まかせろ!」

チョロは霊気の炎を噴き上げる槍を構えて、フルターボで爆走するハードボイルダーの後部で仁王立ちになった。

「はあああ――ッ!」

烈風に長い髪をなびかせ、気合いもろとも操縦席のWを飛び越えて跳躍、向かってくるクロノスドーパントを双刃の槍で一気になぎ払った。

硬いドーパントのボディが青い閃光につらぬかれ、無数の鋭いトゲの生えた怪物の頭部が、宙空高く飛んだ。

チョロは首を失ってもがくドーパントの背に足をかけて再度跳躍、Uターンしたハードボイルダーの上にひらりと舞い降りた。

クロノスドーパントは青白い炎に包まれて轟音とともに爆発、あとには焼けてブレイクした黒いメモリが残った。

「やった!すげえ!!」

「さすがは青龍の戦士だ!!」

Wの内部で、翔太郎とフィリップが同時に叫んだ。

「お前たちは、ややこしいやつらだな。」

チョロはWの肩につかまりながら、苦笑をもらした。

 

仮面ライダーWは変身を解除、翔太郎とフィリップのふたりに戻った。

チョロの体からも、龍鱗の鎧の離脱が始まった。

こみあげる霊気を感じて、白いうなじを見せて天を仰ぎ、切ない表情で目を閉じるチョロ。

淡い光の中で、長いしなやかな髪が、波打つように揺れ動く。

やがて彼は目を開いて、昇華する青龍の霊気を見送るように、陶然と虚空を見上げた。

「綺麗だ…。」翔太郎は、その夢幻の光景に息を呑んだ。

 

「チョロ、もうすぐ帰れるよ。」フィリップが言った。「協力に感謝する。」

チョロは、差し出された手を、今度はためらわずに握った。

「フィリップ、お前にはまた会えるような気がする。」

「ああ、きっと会うよ。」

少し微笑みを浮かべて、フィリップの手を握ったまま、チョロの姿は消えた。

フィリップはまだ握手の感触が残る右手を見ながら、つぶやいた。

「…僕が、『キウン』と呼ばれていた頃に、ね。」

 

 


※ キウンの登場回は こちら
 です。
 
※ ちなみに「太王四神記」原作では、チョロは変身も、必殺技・龍嵐招来(りゅうらんしょうらい)もやってませんので、悪しからず御了承?ください。|||^^|||¥



 

2010-04-10

感謝を込めて…

みなさん、こんにちは。
いつも森に来てくださってありがとうございます。
おかげさまで、前回、ようやくチョロの物語の最終場面を描くことができました。
 
実は私、2月末から目の病気にかかってしまいました。病名は「中心性網膜症」です。
ある朝、片目に黄色い丸が見えるので受診したところ、目の酷使とストレスにより、網膜に水ぶくれができているそうで、治療することになりました。幸い重篤な病気ではなく、軽症なので自然に治ることもあるそうです。
でも目玉に炎症止めの注射されたり、ほかのもっと怖い病気じゃないか検査したりで、けっこうきつかった
(×△×;)
 
私、自慢じゃないがこれまで心身ともにいろんな目に遭ってきた人間なので、これしきのことでへこたれてはおりません。
しかしさすがに、これまでのようにものすごいエネルギーを使ってブログ連載を続けるということはできなくなってしまいました。
 
実は、年明けから自分でも思いがけずいくつも大作を生み出すことができて大変幸せだった反面、「こんなことがいつまで続けられるのか?」と不安に思っていました。
ひとつの物語を構想し、資料を調べ、組み立て、作品に仕上げてゆくというのは、やはり大変な作業でした。「のんびり妄想」などという姿勢ではとてもできません。
「いくつもの書きたいストーリーが、いつも頭の中で踊りを踊っている。」と言っておられた栗本薫さんは、やっぱりすごい人です。
シロウトの私は、この程度の作品を書いただけでも、連日、精神的、肉体的に、かなりきついストレスにさらされるようになってしまいました。
 
特に『呪縛』からの3部作、そして『青龍盡身』を作ったとき(粗原稿はほとんど2月中に一気に書いてありました。こういう作品を少しずつ考えるというのは、私には無理なのです。)は、最初の設定から完成までものすごく苦労してしまい、眠っていても夢の中で悩みながらパソコンを打っている始末でした。
目だけでなく頭も胃も痛くなり、「もうこれ以上できない。限界かも知れない。」と本当に思っていました。
かといって、城主様以外のテーマでブログを続けるという気はまったく起きませんでした。元来グータラ猫である私は、みなさんのようにいろいろなテーマでまめに記事を書いて管理するということが苦手なのです。
 
ただただ、私の中に生きるチョロを描くため、城主様に捧げるためだけにやってきたブログでした。
 
ここではっきりさせておきますが、これは決して、みなさんが期待してくださっているというプレッシャーのせいではありません。
あくまでも私自身が、チョロがより美しくかっこよく活躍する物語をもっと作りたい、書きすすめるうちに私の中で彼がまざまざと生きて動き始め、いくつもの試練を乗り越える中で、己れの人生自体を問い、内なる自分自身と向き合い成長してゆくその姿を描きたい、そして究極、チョロを本当に幸せにしてあげたい!と強く欲望したからにほかなりません。
その過程は苦しかったけれど、ものすごく楽しくてスリリングで、夢幻の存在であるチョロが自分の中に確かに生きているという実感があって、本当に幸せな感覚でした。その至福の思いは、いまも続いています。実に幸せです。一片の悔いもありません。
 
 
たかがドラマの登場人物にここまで入れ込んでしまった私は、まさに痴れ者(しれもの)であります。
しかし、チョロの物語を作りたい!という衝動に突き動かされて書いていくうちに、私には見えてきたものがありました。
それは、「もしかしたら、昔の人たちは、こうやって神話の物語を作っていったのではないか?」という思いです。
例えばギリシァ神話の中にヘラクレスという英雄の存在があって、そこに12功業とかアルゴ船の冒険譚とか、古代の人々が彼に感情移入していろいろなお話を夢想していった結果、壮大な神話物語を作り上げていったように―。
なんだかものすごく大それた話をしてしまいましたが、私にとってチョロはもはや、神話の主人公なのです。
 
今回、目がギブアップしたことは、ちょうどよい潮時だったと思います。
でないと、やりだすと歯止めがきかなくなるダメ猫の私はもっと無理をして、まじでどこかの血管が切れて倒れたかも知れないのです。2月頃は、本当にそこまで煮詰まっていました。
『青龍盡身』でタムドクがチョロに「もういい!もういいんだ!」と叫んだ言葉は、そのままチョロが私に向かって叫んでくれていたのかも知れない、とすら思います。
 
実をいうと、『青龍盡身』を最後にやめようと思っていたのですが、治療と新しいメガネ(老眼鏡…)のおかげで調子がよくなると、最終場面の発想が湧いてきたので、無理しないように気をつけつつ、なんとか納得いくまで、チョロの物語を書ききることができました。
 
 
そんなわけで、次回作を楽しみにしてくださったみなさんには大変申し訳ないのですが、当分の間、ブログをお休みさせていただきます。
「やめます。」と書いてしまうのは寂しいのと、もしかしていつかまた、むくむくと妄想が湧いてきて再開することになったりしたら恥ずかしいので、いちおう休載ということで…。
 
すでに終わったドラマである『太王四神記』なのに、みなさんにこんなに楽しんでいただき、応援していただいたおかげで、自分でも信じられないほどたくさんのチョロの物語を書くことができました。
われながら思いがけず作りだせたチョロの美しく神秘的な姿、数々の名場面(またもや自分で言う!)、書いた自分が毎度読み返してはうっとり…という始末です。
昨年7月に始めてから約9ヶ月間、連載回数はちょうど50回、いまのところ書きたかったことはすべて書き尽くしたと思っています。
 
 
みなさんの応援がなかったら、ここまでやれませんでした。
応援だけでなく、いろいろな知識やアイデアもいただいて、自分の成長にもなったと思っています。
本当にみなさんのおかげです。ありがとうございました。
 
パソコンを使うこと自体ができなくなったわけではないので(まあ、要は何事も適度に、ということです。)、この森はこのままにしておいて、自分でも時々遊びに来るつもりです。(ていうか、まだここに住んでますし…。)
みなさんもチョロに会いたくなったら、いつでもここに来てください。
これまでのお話を、出来事順にして載せておきます。
 
 
 
更新日
題  名 (リンクをクリックすると飛べます。)
                                 【物語出来事順】
 2009年7月18日
青龍の戦士 → リンク
 2009年7月22日
城主を探して → リンク
 2009年7月19日
関彌城の森を出でて → リンク
 2009年7月21日
みなさま、ありがとうございます。 → リンク
 2009年7月27日
17話の勝手な続き≪前編≫ → リンク
 2009年7月29日
17話の勝手な続き≪後編≫ → リンク
 2010年1月16日
業 火 (前半) → リンク
 2009年8月1日
19話:コ・ウチュン将軍の独白≪前編≫ → リンク
 2009年8月5日
19話:コ・ウチュン将軍の独白≪後編≫ → リンク
 2009年8月8日
王の胸中 → リンク
 2009年8月10日
妄想に説明を加えるのは本意ではないが… → リンク
 2009年8月13日
王様、ひどいんじゃない? → リンク
 2009年8月16日
白虎の神器の謎 → リンク
 2009年8月19日
平原の危機 → リンク
 2009年8月22日
神器の声 → リンク
 2009年11月7日
生きていた男 → リンク
 2009年8月25日
カグンへの手紙 → リンク
 2009年8月28日
森の者 → リンク
 2009年8月31日
再び関彌城へ≪前編≫ → リンク
 2009年9月3日
再び関彌城へ≪中編≫ → リンク
 2009年9月6日
再び関彌城へ≪後編≫ → リンク
 2009年11月21日
逆 鱗 → リンク
 2009年12月13日
チュムチ大いに怒る → リンク
 2010年1月16日
業 火 (後半) → リンク
 2010年1月23日
怪異の海 → リンク
 2010年1月30日
遭 遇 → リンク
 2009年9月9日
窮 鳥 → リンク
 2009年9月12日
樹の城主 → リンク
 2009年9月15日
祝福の森 → リンク
 2009年9月17日
巡る物語 → リンク
 2009年10月24日
青龍の帰還 → リンク
 2009年11月28日
夜に来るもの → リンク
 2009年12月19日
秘められた名前 → リンク
 2010年2月20日
呪 縛  (三部作・上) → リンク
 2010年2月27日
兄 弟  (三部作・中) → リンク
 2010年3月6日
邪神炎上(三部作・下) → リンク
 2010年3月20日
青龍盡身 → リンク
 2010年2月13日
再 会 → リンク
 2010年4月3日
永遠の絆 → リンク
  
                                   【物語以外のテーマその他】
 2009年7月26日
再び、みなさま、ありがとうございます。 → リンク
 2009年9月28日
妄想の旅路 → リンク
 2009年10月9日
槍についての考察 → リンク
 2009年10月17日
鎧姿に萌えた夜 → リンク
 2009年10月30日
龍鱗の鎧とは? → リンク
 2009年11月14日
光りモノ考 → リンク
 2009年12月5日
ドラゴン夢幻 → リンク
 2010年1月9日
砂漠で考えたこと → リンク
 2010年2月6日
「チョロ」の謎 → リンク
 2010年3月13日
龍自慢 → リンク
 2010年3月27日
未公開シーン → リンク
 2010年4月10日
感謝を込めて…
 
 
それと、おすすめのBGMとして、Lena Parkさん「Fall in Love」(セピア色のチョロ)を…。
 (すみません。どうしても動画が貼りつかないので、こちらからアクセスしてください。→ リンク )
 
コメントしてくださるとメールでわかりますので、気が向いたらコメントでも独り言でも自由にしてください。
喜んでお返事させていただきます。
 
また、雪の華さんはじめ、みなさんのブログにもこれまでどおりお邪魔して、妄想的なコメントをしてしまうかも知れませんが、どうか笑って許してやってください。
 
それではみなさん、これにてひとまず森の奥へ帰らせていただきます。
本当に本当にありがとうございました!
   関彌城の森     チョロの微笑み
 
 
               限りない愛と感謝を込めて…
                                                 妄想猫nyatan
 
 
          
2010-04-03

永遠の絆

※『呪縛』編で、青龍の力を封じられたチョロは、クドンやタムドクの助けを受けて、見事力を取り戻し、ふたたび仙女王をその腕に抱くことができました。
しかし、ここで新たな問題が…。
本編最終回では、タムドクが天弓を折って天の力を天に還し、ソン・ヂナ氏のオリジナル台本では、四神たちは普通の人間に戻るそうです。
みずからの手で青龍として生きる道を選んだのに、突然人間に戻ってしまったら、そのときチョロは?!
 
―というわけで、ついに第24話を妄想することになりました。
 
正直いって、最終回をいちから構築し直すのはとても無理なので、結末まではソン・ヂナさんのオリジナル台本にそっていきましょう。
 
 
 
アブルランサで、太王軍対火天会・後燕連合軍の最終決戦が繰り広げられる。
 
タムドクはついにホゲと対決する。
ホゲはタムドクに討たれながら、先王の死は自殺で、キハが殺したのではないことを明かし、キハを救ってやってくれと言う。
真実を知って、愕然とするタムドク。
 
「なぜいままで、言わなかった!」
「お前は、チュシンの王じゃないか…。」
「ホゲ―!」
「行けよ、チュシンの王。昔の、友…。」
ホゲはタムドクの腕の中で、息絶えた。
 
 
タムドクがアブルランサの境内に駆けつけると、ときすでに遅く、キハは黒朱雀と化してしまった。
タムドクは天弓で大長老を倒す。大長老は黒い霧となって闇に消えた。
 
そして王はついにキハに天弓を向ける。しかし、どうしても矢を放つことができない。
「天の力を、天に還す―。」
タムドクはキハとともに消滅する覚悟で、天弓を折る。
 
神器が壊れ、胸を押さえて苦しみながら倒れてゆく四神たち。
王もまた、四神が倒れるたびに同じ苦痛を感じて、地面に崩れ落ちてゆく。
 
苦悶するタムドクを見かねたキハは、スジニに「妹よ、私を消して…。」と頼む。
ただひとつ、いまだ目覚めていなかった朱雀の神器は、壊れずに残っていた。
スジニが朱雀の神器を手にとって胸に抱きしめると、それは赤く発光し、その光に包まれて、キハは消えていった―。
 
 
―チョロの物語は、ここから始まります。
 
 
アブルランサの戦いは、終結した。
敵も味方も、みな地面にひざまずいて、天に突き上がる巨大な聖光を見上げている。
 
チョロもまた、馬から落ちて草原に倒れたまま、四神の力がひとすじの光明となって空のかなたへ飛び去ってゆくのを、茫然と見つめていた。
心臓に鋭い痛みを感じたときに、天弓が折られ、神器が壊れたことはわかっていた。
自分の体からはすでに龍鱗の鎧が消え、双刃の槍も光を失って、かたわらに横たわっている。
 
「俺は、今度こそ本当に、ただの人間になった―。」
安堵と同時に、深い悲しみがチョロを襲った。
「これでもう二度と、ランヒには会えない…。」
彼は涙をこらえるために、目を閉じた。
 
「神器…。」
結局自分の人生は、神器に翻弄されたにすぎなかったのか。
苦難の末に、ようやく最も愛する者とめぐり会い、結ばれたというのに…。
 
そのとき、どこからか声が聞こえた。
「神器は封印されたうつわにすぎない。お前こそ、青龍―。」
「あのときと、同じ声…!」
それは、かつて契丹の平原で瀕死の王の命を救ったときに聞いたのと、同じ言葉だった。
そしていま、消えゆく青龍の神器が、彼に語りかけた最後の言葉であった。
「―神器!」
 
彼は、目を開いた。
目の前に、仙女王の顔があった。
「ランヒ―。」
彼はまだ自分がその名を呼べたことに驚いて、もう一度、妻の名を叫んだ。
「ランヒ!なぜ…。」
ランヒはその白い指でチョロの髪をなでると、微笑みながら言った。
「あなたこそ、青龍。あなたこそ、わが君―。」
 
神器に込められていた四神の力は天に還ったが、すでにチョロと同化した青龍の神性は、消えずに残ったのだ。
 
「ランヒ!」
チョロは夢中で起き上がって、仙女王の体をかき抱いた。
涙があふれて、両頬を流れ落ちた。
 
歓びに満ちて抱擁するふたりを、やわらかな光が包んだ。
まわりの草々に小さな花が咲き始め、やがて殺伐とした戦場は、匂いたつ無数の花々でおおいつくされた。
 
ふたりは、いまふたたび自然の祝福を受けながら、静かに口づけを交わした。
もはやけっして絶えることのない永遠の絆を、お互いの中に確かめあいながら―。
 
 
 
( 完 )
 
 
 
プロフィール

nyatan

Author:nyatan
チョロの美しさに魅せられたみなさん!どうぞ妄想猫の世界におつきあいください。

※ご注意:作者は城主様の森の住人のため、内容がいちじるしくチョロ寄りに偏向しております。ご不満の節は、仕方のない奴と笑って許してやってください。

※使用している画像は、個人で見て楽しむためだけのもので、著作権等はすべて該当する製作者にあります。

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
FC2カウンター
FC2カウンター
現在の閲覧者数:
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。